新海誠監督の集大成と言われている映画『すずめの戸締まり』
『君の名は。』『天気の子』が大ヒットしたことからも、今作は公開前から注目が集まっていました。
今回の記事では、『すずめの戸締まり』が伝えたかったことをネタバレ解説していきます。
『すずめの戸締まり』は「震災」をテーマとして描いていますが、作中にはさまざまな想いや意図が散りばめられていました。
作品の内容を振り返りながら、新海誠監督が伝えたかったことを考えていきましょう。
解説にはネタバレが含まれるので、まだ『すずめの戸締まり』を観ていない方は注意してくださいね。
あらすじ
引用:https://www.fashion-press.net/news/81951
高校生の岩戸鈴芽は、九州の小さな町で叔母とふたり静かに暮らしていました。
そんなある日、鈴芽は、「扉を探しているんだ」という美しい青年・宗像草太と出会います。
彼の後を追った鈴芽が廃墟で見つけたのは、寂しげな白い扉。
その扉の先に鈴芽は“すべての時間が溶け合ったような”空を見ました。
しかし、扉の向こうからは“災い”がやってくると草太は語ります。
日本各地で次々と開かれてしまった扉を閉じるため、鈴芽と草太は“戸締まり”の旅へ出るのでした。
『すずめの戸締まり』が伝えたかったこと3選
NO.331#すずめの戸締まり
誰もいなくなった廃墟や遊園地。
そこにはたくさんの人の想いと優しい声が今も宿っていた。3.11を境にした回顧と再生の物語。
地震を防ぎたい人。大切な物を守りたい人。「ただいま」を伝えたかった人。様々な運命を過ごしてきた激情が時空を超えて涙腺を刺激する。 pic.twitter.com/M0bkxuHAL6
— ジャック (@tW9cN0ud4rvmQJI) November 16, 2022
『すずめの戸締まり』が伝えたかったことを3つ考えてみました。
- 伝えたかったこと①:震災と向き合う
- 伝えたかったこと②:場所や人の声に耳を傾ける
- 伝えたかったこと③:歳を重ねていく美しさ
それぞれの項目について、ネタバレ解説していきます!
伝えたかったこと①:震災と向き合う
すずめの戸締まり IMAX
「君の名は。」「天気の子」架空の災害を描いた2作品はこの3.11という本物の震災と向き合う為に必要なプロセスだったのか。起きた事は起きた事。拭い去れない喪失感も悲しみも抱えたまま生きて行くしかない。明日は必ずやって来る、という前向きなメッセージ。良い映画だった。 pic.twitter.com/4Bz5RRHsAD— arika (@arika_avenger) November 14, 2022
『すずめの戸締まり』が伝えたかったこと1つ目は、「震災と向き合う」です。
『君の名は。』『天気の子』もそうであったように、新海誠監督は一貫して「震災」をテーマとして映画を作ってきました。
『君の名は。』では巨大な彗星がもらたす災害、『天気の子』では止まない雨がもたらす水害という形で震災を描いていましたが、『すずめの戸締まり』ではより直接的に震災について触れられています。
そして、『すずめの戸締まり』は震災のあった場所を悼み、鎮魂する物語であると言えます。
その点においては、死者の蘇りがあった『君の名は。』や、人の想いが世界の形を変える『天気の子』とは違い、震災があったという事実に正面から向き合って受け止めていく物語なのです。
悲しいことに災害はこれからも起きてしまうけれど、それでも私たちは生きていける、というのが『すずめの戸締まり』の伝えたかったことではないでしょうか。
伝えたかったこと②:場所や人の声に耳を傾ける
『すずめの戸締まり』が伝えたかったこと2つ目は、「場所や人の声に耳を傾ける」です。
常世に繋がる扉を閉める時、「そこに生きていたはずの人の声を聴くんだ」と草太は言っていました。
今は失われてしまった、そこにあるはずの風景、そこにいたはずの人々。
『すずめの戸締まり』は、そういった場所と人の声に耳を傾ける大切さを教えてくれる物語でもありました。
常世でのラストシーンでは、たくさんの人々の「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「おかえり」という声が流れ、思わず涙がこぼれた方もいるでしょう。
鈴芽と草太の旅は、「行ってきます」と言ったまま開いた扉を、「おかえり」と言って閉じていく旅だったとも言えます。
『すずめの戸締まり』を観ると、何気なく生きている中で場所や人の声を大切にしようと思わせてくれますよね。
伝えたかったこと③:歳を重ねていく美しさ
すずめの戸締まり 見ました。めちゃ感動したー。特に千果、ルミがそれぞれすずめを送り出すシーンは、無償の愛って感じで良かった。 pic.twitter.com/kQTLHOu2ld
— たらゆ (@kp_crush) November 13, 2022
『すずめの戸締まり』が伝えたかったこと3つ目は、「歳を重ねていく美しさ」です。
『すずめの戸締まり』で印象的なのは、旅の道中で鈴芽がさまざまな年代の女性に出会うことではないでしょうか。
愛媛では鈴芽と同じ高校2年生の千果に、神戸では2児の母でありスナックのママであるルミに、助けられながら旅を続けていきますよね。
そして最後には、叔母である環の手を借りることで、鈴芽は無事に旅を終えることができました。
各年代の女性が現れて鈴芽に手を差し伸べていく姿は、いずれ鈴芽自身も同じように人生の階段を登っていくということを想起させます。
また、常世でのラストシーンで現在の鈴芽が子どもの頃の鈴芽に対して、「いつか人を愛し、人から愛され、光の中で大人になっていく」という言葉をかけていましたね。
このことからも、この先歳を重ねていくことは美しいことというメッセージが込められているように思えます。
『すずめの戸締まり』が伝えたかったことをネタバレ解説!作品に散りばめられた意図とは?まとめ
引用:https://febri.jp/topics/shinkaimakotonosekai5/
以上、今回は、「『すずめの戸締まり』が伝えたかったことをネタバレ解説!作品に散りばめられた意図とは?」というテーマでまとめました。
この記事で考察した『すずめの戸締まり』が伝えたかったことは3つです。
- 伝えたかったこと①:震災と向き合う
- 伝えたかったこと②:場所や人の声に耳を傾ける
- 伝えたかったこと③:歳を重ねていく美しさ
新海誠監督の作品は、観れば観るほど物語に深みが増していきます。
ぜひ何度も『すずめの戸締まり』を観て、この作品が伝えたかったことを自分なりに解釈してみましょう。
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